冷製法枠練石けんとは、天然動植物油脂とアルカリを低温で混合し、ユックリ反応させて作る石けんのことです。低温で反応させるので油脂がダメージを受け難く、しかも余計な手を加えないので、天然油脂が丸ごと石けんになります。
石けんの原料は天然植物油脂を数種組み合わせて用い、その持ち味を十分に引き出し、泡立ちの良い、ソフトな使用感の植物性石けんを作ります。アルカリと油の反応で生まれるグリセリン(天然保湿成分)をそのまま石けんの中に含むので、あとから保湿剤などを加えなくても、マイルドでしっとりタイプの優しい石けんになります。お客様のご指定の油を用いての石けん製造も可能です。
ネット上には冷製法の石けん、いわゆる「手作り石けん」がたくさん見受けられますが、長年石けんを作ってきた専業のメーカーが作る石けんは、そのノウハウを活かして、お客様のご要望にお応えした石けんに仕上げていきます。
石けん屋が作った冷製法枠練石けんご検討下さい。
詳細は営業担当へお問い合わせください。
数年前に、手作り石けんがブームとなり、今でもネット上に「コールドプロセス」製法で作る、手作り石けんを販売するお店が無数に存在するように思います。
また、家庭の台所で趣味の石けん作りをされる方も多いと思います。ここでは、石けん製造専業メーカーから見た手作り石けん製造のポイントを挙げてみます。
石けん作りも基本的には化学反応ですので、使う油脂の量とアルカリの量を算出しなければなりません。油脂から石けんを作る時には、油脂の「けん化価」というものを基に、必要なアルカリの量を決めます。
けん化価とは・・・油脂1gをけん化するのに必要なKOH(水酸化カリウム)のmg数のことです。これを苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)に換算して、苛性ソーダでけん化します。
この「けん化価」は、油脂の元になっている植物(または動物)の育った場所、環境(動物の場合は飼料)、収穫時期により違ってきます。文献上では、5~10%程度の幅でけん化価が記載されています。ネット上では便宜上、中間値あたりを取っているようです。
ネットで紹介されている手作り石けんの製造法では、油脂の100%を反応させるのではなく、85~90%くらいのけん化率に留めるようにアルカリ量を減らします。アルカリが多すぎると、最終製品の中に苛性ソーダが遊離アルカリとして残り、濃度によっては危険な石けんとなってしまいます。このため手作り石けんでは苛性ソーダを少なく用いて反応し、製品中に苛性ソーダを残さないようにしています。
苛性ソーダを多く入れすぎるようなことがあってはいけません。
また反応に使った苛性ソーダが少ない状態、アルカリが少なすぎると生の油脂が残る事になり、酸化劣化が起こり易くなり変色・変臭の原因になります。残った油脂によりシットリするとされていますが、変質の原因なのです。
シットリさせるためには、変質しにくい添加剤を用いるべきです。
ちゃんとした石けんを作るのは、思ったよりデリケートな作業です。きちんと決められた分量を守ること、そして石けん製造に適した素材を利用することが、手作り石けんのポイントとなります。